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バリエダコロンビア

某大手コーヒー屋さんのベテラン営業マン「I」さんがひょっこり尋ねてきた。

生豆でのコロンビアSUPとタンザニアAAの見分け方を教えて欲しいとの事。

何でも、社内の「コーヒー検定」制度と言うのがあって、栽培から抽出全般に渡ってコーヒーの知識を広く習得していないと受からないらしい。
営業畑の彼にとって生豆に関してはさっぱり判らないと言うか普段見ることは殆どない。

生豆でサントスNO.2、モカハラリ、マンデリン、ロブスタWIB、コロンビアSUP、タンザニアAAの6種類の豆を見分ける問題があるとの事で他の4種類は特長がハッキリしているから独学で見分けられるようになったが、コロンビアとタンザニアだけはさっぱりとの事。
下の画像のごとく確かにSUPとAAならどちらも大粒だし見分けづらい。


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上の写真で見分けられた方、いるだろうか?

下の写真は、唯一見分けられる典型的な豆を赤で囲ってみた。
修行時代のコロンビアはカチュ-ラ種が主流でこんなフラット面が四角張った豆はなかった。


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これが悪名高い「バリエダコロンビア種」。ロブスタとの交配種とのことで、
量産と何より耐サビ病品種として80年代に植え付けが始まり、
いまや全体の60%はこの品種だと言われている。
味覚はきつくは無いが、軽いヨードのような異臭を感じたり後味の悪い酸味が何時までも口に残る。
さらに、カップ毎の味覚のバラツキが大きく安定感にかけてどうも使いづらくなった。

彼には、そんな説明をした上でサンプルの中で角張った豆の混入が目立つ方が「コロンビア」とだけ言っておいた。

しかし、さすがに大手のコーヒー屋さんだ。
中々いい問題だと思う。

それにしても、彼に他の問題例を聞いてみたところ、エスプレッソマシーンのメンテナンスなど多岐に渡り自分の知らないことだらけだった。

コーヒーの奥は、まだまだ深い。


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06:55 | コーヒー | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

暑くなってくると何かと忙しい。
最近はリキッドタイプのアイスコーヒーが業務用筋でも全盛で随分減ってしまったが、それでも連日アイスコーヒー用の深炒り焙煎が半分以上を占めている。

アフターバーナーを設置していない当方としてはご近所さんからの苦情を気にしながらの焙煎で今一、集中できない。

年始にアフターバーナーの見積もりして貰ったら、60Kの焙煎機で
排気と冷却(煙の吸い取り)それぞれの煙突に必要で
設置費を含めて約700万円。

公害対策などの特別融資を受けられそうで資金の目処はついたが、
屋外に設置する場所がない事が判った。
屋内に設置した場合、400度の高熱を発するとのことで、ただでさえ暑いのに、これじゃとてもその横で焙煎することは出来ない。

焙煎屋をやり出した頃は荒れ地で周辺には何もなかったが、
住宅がどんどん増えて廃業、引っ越しのどちらかで悩んでいる間にとうとう夏が来てしまった。

注文は殺到しているし、辞めるに辞められない。




19:26 | コーヒー | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

生豆の話 

話は前回の続きだが、タイトルはちょっと変えてみた。
先月末の「Best of Panama 2006」第1位の価格を見て驚いた。

http://auction.stoneworks.com/includes/pa2006/final_results.html

「ゲイシャ種」凄い人気だ。
マラウィの同種なら何度も取り扱ってそれなりに好印象を持ってはいたが、この価格は凄すぎる。

それよりもっと驚いたのは昨年2位で今年も出品すれば確実に上位に入ったであろう別の農園産ゲイシャ種をオークション出品前に日本の商社が、買い占めたそうだ。


最近の、カップオブエクセレンスに於いて、7~8割は、日本のコーヒー屋さんが競り落としてる状況で随分頑張っていて、結果だけ見ていると大したものだと思える。

だが、裏を返せばそれら優秀なコーヒーを得る手段としてそれしか方法がないとも言える。

結局、産地とのパイプがないから、オークションでしか買えないと言うのが実情。

スタバなどスペシャルティーコーヒーの先駆け的なコーヒー屋さんは、先ずそんなオークションに参加してこない。
優秀なコーヒーを産出する地域や農園とのパイプがしっかりしているから必要ない。

さらには、世界的な大手ロースターさんが、青田買いに走り出し、毎年開催されていたオークションが中止になった産地も出てきた。

現実はそんなに甘くない。

そんな状況でパナマの優秀ロットを直接買い付けた日本の商社に良くやったと賛辞を送りたい。




11:22 | コーヒー | comments (2) | trackbacks (0) | page top↑

マンデリン 5

タイトルとは、大きく違った内容だが…。まだ書き足らない。

産地での出荷水分は12~15%、農産物だから輸送中にも湿度の影響を受け
含水率は一定していない。
決済は船積み前に行われるから、これが輸入国に着いたとき、総重量が足りないと契約違反となる。
必然的に少し多い目に輸出される。

通関書類に記載されている重量より多い場合は、その分だけ没収となる。

この没収品は、年1回程度、通関でオークションにかけられる。
銘柄・グレードはごちゃ混ぜだが、かなり安く買える事は確か。

とまあこんな裏側の流れがあって通関後、我々焙煎業者に回ってくる訳だが、

中には、悪徳輸出業者もいる。
小石或いは、ガラス片なら水分の変動に全く影響されない。

全ロット均等じゃなく、その中の数袋に大量混入させてくる。
均等に入っていれば、買い付けのチェック段階で直ぐに判るが、
これではお手上げ。どう考えても前述の理由でワザと入れ込んだとしか考えられない。

これまでに3回、そんな大当たりを引いてしまった。
もちろん即刻返品だけど、焙煎機へ投入後ドラム内の
突如激しい異音で気が付いてももう手遅れ。

焙煎屋仲間でも同じようなとがあり、この時は前面パネルとドラムのすき間に大きな石が挟まり、焙煎中に突如ドラムの回転が止まって、
大慌てしたそうだ。

輸出業者は違うが3回とも全て「コロンビア」、この銘柄は要注意。

他にも、こんな豆にはまだ出くわしていないが、船積み前にわざと生豆に水をかけて重量を増やす業者もいると聞く。
着いた頃にはカビまるけ。
元々加工向けの粗悪品ならその様な行為は十分考えられる。買う方も割り切っているからな。

単に銘柄のグレードばかりじゃなく、輸出入業者についてその信頼性を知っておく必要がある。
この辺りが、高品質入手のためには重要となる。

そんな話は、また次回。
16:22 | コーヒー | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑