霜害
2005 / 12 / 01 ( Thu )
1979年6月1日、サンパウロ・モジアナ地方の農場にいた。
そこでコーヒー相場を左右する霜害が起こった。
突然の寒気団でこの前日の夜、とても寒くて、しかも、翌朝、霜が降りるのは確実にわっかていたが(農業用語では、植物の樹液が凍ることを指します)、どうすることも出来ない。
1000haからの広さでは、焚き火などの予防処置もままならない。
寒くて悔しくて殆ど眠れない。
翌朝、農場を見て回りましたが、一見、樹は前日と変わりなく見えた。
だが、枝の新芽が殆どやられてしまった。
2~3日たつとこれら新芽や葉っぱが茶色く変色して枯れてしまい、これで翌年の収穫は、大減産、惨めなものでした。
近隣農場では、植え付け後3年目で翌年には、初めての収穫が見込まれていたのに、すべてパー。
オーナーは樹にしがみついて泣き崩れたと聞いた。
一夜にして破産ですから。
世界の3分の1の生産量を誇る国ですから、たった1日でコーヒー価格は大暴騰。
この後、サントスのコーヒー仲買人が被害調査に来て、聞いた話では、降霜の1週間前、アメリカからコーヒーの大量買い付けがあったそうです。
まだ気象衛星などない時代ですから、アメリカのすごさが、もっぱら話題となりました。
ちなみに、この地方の気象データ-は、実は私が農場で毎日とって、町に報告していた。・・・今は違うと思うが、観測施設(最高気温、最低気温と降水量)が他になかった。
コメント
珈琲の霜害の話、とても興味深いです。
やはり、どんなに栽培に努力しても自然の驚異からは
逃れられなく、ただ現実を受け入れなければならない
というのは厳しい話だと思います。
霜の大災害は本などで聞いていますが、実際の体験談は非常に興味深いです。
やはり、どんなに栽培に努力しても自然の驚異からは
逃れられなく、ただ現実を受け入れなければならない
というのは厳しい話だと思います。
霜の大災害は本などで聞いていますが、実際の体験談は非常に興味深いです。
日本でもお茶畑に扇風機の大きなのが立っているだろ。あれも冷気を圃場に落とさない工夫だ。
だが馬鹿でかいブラジルの畑じゃとてもそんな設備もちぇやしないし、何十年に1回程度の割合だからな。
私がいた農場もこの10年後ぐらいに開花時期に大干ばつが起こり、コーヒー栽培を断念したと聞く。
今は経営者も変わり牧場になっているらしい。
ブラジルが不作だと他の国が潤う。ある種、ギャンブルに似たとこあるよな。
だが馬鹿でかいブラジルの畑じゃとてもそんな設備もちぇやしないし、何十年に1回程度の割合だからな。
私がいた農場もこの10年後ぐらいに開花時期に大干ばつが起こり、コーヒー栽培を断念したと聞く。
今は経営者も変わり牧場になっているらしい。
ブラジルが不作だと他の国が潤う。ある種、ギャンブルに似たとこあるよな。
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