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ハンドピック考

忙しい。とにかく忙しい。
業務用でkgあたり300円平均の値上げ。
豆自体は一昨年の暮れあたりから高止まりで無理に買いだめされても
内心穏やかでない。
この際、売れるときにとは思うが…。

さて本題。

1個で約50gのコーヒーに悪影響を与えると言われている発酵豆と塩素臭を出す豆、この二つは完璧に拾え出せない。

発酵豆、或いは半発酵豆なんかは、文献の写真とかで黒豆あるいは部分的に変色した豆として出ているが、目視の範囲でそれら全てを取り除いても出るものは出る。それだけ強烈な異臭だと言える。

また、塩素臭の出る豆、これもどれだか分からない。
しいて言えば、高級品の代名詞ともいえる高地産のウォッシュドに多い。
抽出液の温度が高い時は気付きにくいが冷めるに従って、塩素特有の水っぽさが強く出てくる。

恐らく精選行程で何かしら発生するものと思われる。
収穫後はタイムスケジュールに沿って果肉除去→パーチメントに付着した粘着質の発酵→水洗いへと、これに要するタイムリミットがおおよそ
36~48時間。
それを越えてしまうと豆にダメージが残る場合がある。

高地の場合、急斜面での栽培が多く恐らく搬出や精選加工場への運搬に手間取り高温多湿化では、その様な問題が生ずることが想像できる。

この辺りのダメージについて現地滞在中に自分なりに調べてはいたが、
残念ながら原因究明には至らなかった。

実務優先だと中々、そう言う調査は思っていても進まない物だ。

そんな事例で、以下の事も根拠のない話で聞き流して頂きたい。

非水洗式のエチオピア(モカ)は酸味の強い豆に混入させると鋭角的な酸味をやわらげてくれ、ブレンドの隠し味として重宝している。
これを未完塾豆の混入が殆どない水洗式のモカを使うとあまりその効果が期待できない。

似たような事で、
未完塾豆が混ざっていると焙煎後の酸化速度が遅いように感じている。
表現としては「遅い」でなく酸化の味をごまかす。或いは和らげると言う方が適正かも知れない。





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13:25 | コーヒー | comments (3) | trackbacks (0) | page top↑
焙煎履歴 1 | top | Like a~ 3

コメント

#
このように中身の濃い欠点豆の話は、初めて聞きました。
欠点豆には、それぞれに必然の理由があると言う事でしょうか。
しかし、酸化の味をごまかす効果が、未熟マメにあるとは!!

ボクは焙煎後に、周りと比べると少し白っぽい豆を取り除くようにしていたのですが
これはどんな欠点豆の分類になるのでしょうか?
良かったら教えて下さい。
それとも取る必要のない豆を取っていたかなー。
だんだん自信がなくなってきました。
by: とんきち | 2006/03/14 00:06 | URL [編集] | page top↑
#
>少し白っぽい豆を
これはもともと乾燥不十分だと起こる。
乾燥終了時点で12%ぐらいの水分が目安だが、14%以上だと麻袋詰め後、
1ヶ月もすれば全体的に白くなってしまう。
まばらに混入しているのは
グリーン豆の輸送、保管時にも雨や湿気で豆がややふやけてしまう。…麻袋に面した豆が比較的なりやすい。
最近はやりのリーファーコンテナでも結露とかが起きてコンテナ壁に面した部分がやられる事があるそうだ。
赤道を通ると言う事は色んな事が起こりうる。
by: UGQ | 2006/03/14 06:52 | URL [編集] | page top↑
#
申し訳ない。良く読まずに返答してしまった。
焙煎豆の白っぽい物でしたね。
死豆や青実の事で総称として未完塾豆と言っている。
これらは、色が付かず、そればかり集めて飲んでみると大豆を煎ったような味で。

広い意味で、シェルやエレファントなんかも未完塾と称したりもする。

>酸化の味をごまかす効果が

念のため、これは珍説にすぎない。
近い将来引退して時間が出来たらゆっくり実証してみたく思っている。




by: UGQ | 2006/03/14 14:54 | URL [編集] | page top↑

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