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リサイクル

配達中、ラジオを聴いていたら、最近は「蚊取り線香」を焚かなくなっているらしい。確かに我が家も使っていない。

コーヒーブログで冒頭から「蚊取り線香」の話。
変と言えば変。

でもこのラジオの話題を聞いていて忘れかけた記憶がよみがえった。

コーヒー生豆の表面や覆っている薄皮。これをシルバースキンまたはチャフと呼んでいる。

聞いた話では、これを専門に回収する業者がいる。
集めたこのチャフが「蚊取り線香」の原料になるらしい。

重量比でいえば1%にも満たない量だが、ガサはかなりのもので1日300Kも焙煎するとサントスの麻袋(60K入り)いっぱいの量となる。
更に、これをグラニュレーターで粉砕すればもう一袋チャフが排出される。
毎日、何十トンも焙煎する大ロースターならこの量が半端でないことは
容易に想像される。

チャフに防虫・殺虫効果があるのかあるいは単なる増量用なのか、詳しい事はきいていないが、燃やすともくもくと煙を出して長時間くすぶり続ける。
あれは確かに「蚊取り線香」を連想させる。

畑が趣味の我がおふくろはこの時期、虫除けにいつも畑で燃やしながら
作業をしている。

もちろん肥料として畑の畝に鋤き込んでいる。

他にも、某大手焙煎工場脇を通ったら施設内の植木の根元にコロンビアの麻袋が、何枚も重ねてマルチングしてあった。
雑草除けと施肥だと思うがうまく考えたものだと感心した。

もう一つ付け加えとこう。
最大手のUCCでは麻袋を加工して社員の名刺を作っている。

改めて再利用というのは、良い事だと思った次第。
11:42 | コーヒー | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

サンプル豆

生豆のサンプリング方法は、
仮に500袋が1ロットだとすると上下・左右それぞれの麻袋から
中が空洞の筒状で「刺し棒」と呼ばれる棒を刺し、少しずつ豆を抜き取る。
抜き取ったコーヒー豆を良くかき混ぜた物が、このロットのサンプルとなる。
それを約300gずつ小分けして、商社経由にて大手ロースター或いは、生豆問屋に渡る。
と言うのがおおよその流れ。

こんな大ロットが一括で買える所と言えば、この2ルート以外にない。
大手ロースターが買い付ければ、我々マイクロロースターには全く
流れてこない。
そんな話は、以前にも書いたからここでは省略。

生豆の買い付ける時はサンプルを取り寄せるわけだが、これにも色んな名称がある。

産地から直接買い付ける場合を例にとってみると。
輸出業者から、各ロット毎のサンプルが用意されている。
これがタイプサンプル。

この中から、ほしいものを選ぶ…買い付け。

次に、間違いなくそのロットが船積みされたか確認するために取り寄せるのが、シッピングサンプル。

日本に到着後、輸送中に異変がなかったか確認のため取り寄せるのが
アライバルサンプル。
赤道を越えて来るというのは、気候による変質、或いは嵐に遭遇して塩水をかぶってしまうとか危険性がかなり高い。

と言った具合でかなり神経を使う。
そう言った輸送中にダメージを受けたとしても決済はすんでいるのだから、クレームの出しようもなく、当然リプレイスも利かない。

そんなわけで、焙煎業者が産地に赴いて直接買い付けるのは、
かなりリスクを負う。



16:09 | コーヒー | comments (2) | trackbacks (0) | page top↑

バリエダコロンビア

某大手コーヒー屋さんのベテラン営業マン「I」さんがひょっこり尋ねてきた。

生豆でのコロンビアSUPとタンザニアAAの見分け方を教えて欲しいとの事。

何でも、社内の「コーヒー検定」制度と言うのがあって、栽培から抽出全般に渡ってコーヒーの知識を広く習得していないと受からないらしい。
営業畑の彼にとって生豆に関してはさっぱり判らないと言うか普段見ることは殆どない。

生豆でサントスNO.2、モカハラリ、マンデリン、ロブスタWIB、コロンビアSUP、タンザニアAAの6種類の豆を見分ける問題があるとの事で他の4種類は特長がハッキリしているから独学で見分けられるようになったが、コロンビアとタンザニアだけはさっぱりとの事。
下の画像のごとく確かにSUPとAAならどちらも大粒だし見分けづらい。


20060623175507.jpg


20060623175520.jpg


上の写真で見分けられた方、いるだろうか?

下の写真は、唯一見分けられる典型的な豆を赤で囲ってみた。
修行時代のコロンビアはカチュ-ラ種が主流でこんなフラット面が四角張った豆はなかった。


20060623180353.jpg


これが悪名高い「バリエダコロンビア種」。ロブスタとの交配種とのことで、
量産と何より耐サビ病品種として80年代に植え付けが始まり、
いまや全体の60%はこの品種だと言われている。
味覚はきつくは無いが、軽いヨードのような異臭を感じたり後味の悪い酸味が何時までも口に残る。
さらに、カップ毎の味覚のバラツキが大きく安定感にかけてどうも使いづらくなった。

彼には、そんな説明をした上でサンプルの中で角張った豆の混入が目立つ方が「コロンビア」とだけ言っておいた。

しかし、さすがに大手のコーヒー屋さんだ。
中々いい問題だと思う。

それにしても、彼に他の問題例を聞いてみたところ、エスプレッソマシーンのメンテナンスなど多岐に渡り自分の知らないことだらけだった。

コーヒーの奥は、まだまだ深い。


06:55 | コーヒー | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

暑くなってくると何かと忙しい。
最近はリキッドタイプのアイスコーヒーが業務用筋でも全盛で随分減ってしまったが、それでも連日アイスコーヒー用の深炒り焙煎が半分以上を占めている。

アフターバーナーを設置していない当方としてはご近所さんからの苦情を気にしながらの焙煎で今一、集中できない。

年始にアフターバーナーの見積もりして貰ったら、60Kの焙煎機で
排気と冷却(煙の吸い取り)それぞれの煙突に必要で
設置費を含めて約700万円。

公害対策などの特別融資を受けられそうで資金の目処はついたが、
屋外に設置する場所がない事が判った。
屋内に設置した場合、400度の高熱を発するとのことで、ただでさえ暑いのに、これじゃとてもその横で焙煎することは出来ない。

焙煎屋をやり出した頃は荒れ地で周辺には何もなかったが、
住宅がどんどん増えて廃業、引っ越しのどちらかで悩んでいる間にとうとう夏が来てしまった。

注文は殺到しているし、辞めるに辞められない。




19:26 | コーヒー | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

生豆の話 

話は前回の続きだが、タイトルはちょっと変えてみた。
先月末の「Best of Panama 2006」第1位の価格を見て驚いた。

http://auction.stoneworks.com/includes/pa2006/final_results.html

「ゲイシャ種」凄い人気だ。
マラウィの同種なら何度も取り扱ってそれなりに好印象を持ってはいたが、この価格は凄すぎる。

それよりもっと驚いたのは昨年2位で今年も出品すれば確実に上位に入ったであろう別の農園産ゲイシャ種をオークション出品前に日本の商社が、買い占めたそうだ。


最近の、カップオブエクセレンスに於いて、7~8割は、日本のコーヒー屋さんが競り落としてる状況で随分頑張っていて、結果だけ見ていると大したものだと思える。

だが、裏を返せばそれら優秀なコーヒーを得る手段としてそれしか方法がないとも言える。

結局、産地とのパイプがないから、オークションでしか買えないと言うのが実情。

スタバなどスペシャルティーコーヒーの先駆け的なコーヒー屋さんは、先ずそんなオークションに参加してこない。
優秀なコーヒーを産出する地域や農園とのパイプがしっかりしているから必要ない。

さらには、世界的な大手ロースターさんが、青田買いに走り出し、毎年開催されていたオークションが中止になった産地も出てきた。

現実はそんなに甘くない。

そんな状況でパナマの優秀ロットを直接買い付けた日本の商社に良くやったと賛辞を送りたい。




11:22 | コーヒー | comments (2) | trackbacks (0) | page top↑